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トレーニングや試合の後の筋肉痛は、スポーツをする皆さんにとって共通の悩みですよね。その筋肉痛を和らげ、その上、筋肉の質も高めることができるとしたらー。
 
最近の研究で、運動後のマッサージにそんな効果があるかもしれない、という結果が示されました。
 
研究では11人の男性に、通常数日間の筋肉痛が残るようなきつめのエクササイズをしてもらいました。その後10分間のスウェーデン式マッサージを片足だけに施しました。もう片方の足は効果を比較するためにマッサージを施しませんでした。研究者は両足から筋肉組織を採取し、遺伝子プロファイルの技術を用いて調査しました。
 
その結果、運動後のマッサージによって筋肉組織にふたつの変化が確認されました。
 
ひとつは炎症を抑える遺伝子のスイッチがオンになっていたこと。これによって、筋肉痛を抑える効果が期待できます。
 
もうひとつはミトコンドリアの生成を促進する遺伝子の活動を促していたこと。実はミトコンドリアと筋肉の働きの間には重要な関係があるのです。
 
今回の研究を行ったカナダのマクスター大学のMark A. Tarnopolsky博士によると
「2〜4ヶ月の持久力トレーニングを行った場合、筋肉細胞のミトコンドリアの数はほぼ2倍に増える(強度にもよる)」といいます。
 
ミトコンドリアは筋肉細胞内で酸素を利用する手助けをしています。博士によれば「筋肉が酸素を抽出する能力はミトコンドリアの量に比例する」とのこと。
 
エクササイズとその後のマッサージが筋肉細胞のミトコンドリアを増やすことを促しているとしたら、筋肉が酸素を利用する経路を強化しているということになります。
 
意外にも今まではっきりとした研究結果が示されてこなかった運動とマッサージの関係。これをきっかけに、この分野の研究が進めば、日々のトレーニングをさらに効率よく行えそうですね。

(WebMDより / リサーチ 松田正臣)