fbpx

久しぶりの更新になってしまいましたが、実は空白期間にも北アルプスに行ったり、奥秩父をファストパッキングしたり、信越トレイルを歩いたり、はじめてのアシュタンガヨガで信じられない量の汗をかいたりといろいろと動き回っていました。onyourmarkの記事になるものもあったりするので、そこら辺は追々お伝えできるかと思います。(あ、UTMF/STYが完結してないけど…)

で、直近はこの週末に野沢温泉で開かれた『The 4100D マウンテントレイル in 野沢温泉』に参加してきました。その名の通り標高差4100mを65kmで走りきる意外とキツいレース。夏の野沢温泉が舞台ということでスキー場の周辺を利用したトレイルレースなのですが、予想に反してバラエティに富んだコースで本当に楽しく走ることができました。

コースレイアウトの妙
このレースの面白いところは、スタート&ゴール地点となるメイン会場を中心に3つのループが描かれたコースレイアウトであること。つまりメイン会場(スタート)→セクション1(23km)→メイン会場→セクション2(14km)→メイン会場→セクション3(28km)→メイン会場(ゴール)という経路になるため、レース中にメイン会場を2回通過することになります。ここにはドロップバックを置いておくことができるので、替えのウェアやシューズ、補給食などをデポすることができるわけです。

これはレースマネジメントをする上で自由度が高くレースを楽しむ要素が大きく膨らみます。各セクションの特性にあわせてシューズを変えることもできますし(実際、セクション3ではシューズを変えました)、毎回着替えてリフレッシュすることもできる。距離の短いセクション2ではザックを降ろしてハンドボトルで走るなんてこともできます。ある意味、一日で3つのレースを一気に走るという感じでもあります。

また、これは応援、運営にとってもメリットが大きい。メイン会場にいればスタート、2回のエイド、ゴールと移動せずに4回も選手と接する機会ができますし、運営側もエイドステーションの数をぐっと節約することができる。実際、このレースではメイン会場と別にあるエイドは一カ所のみ。これをセクション1とセクション3が交差する場所においてあるため、65kmの中で選手は4回分エイドを利用できるということになります。

また、リレーや、14km、23kmのショートレースも同時開催されていたのですが、これもこのコースレイアウトを最大限利用した大会の在り方になっていたと思います。

ハンガーノック
さてそんなコースでの自身のレース展開です。セクション1は出だしの温泉街をチームの仲間と楽しくウォームアップしながらマイペースのスタート。その後10km過ぎまで続くゆるい登りの林道もチームの仲間に引っ張ってもらって(というより張り付いて?)しっかり走りきり、登山道の入り口まではとても良い調子で進むことができました。今までなら歩いてしまう長いゆる登りを走れるようになったのは今シーズンの収穫。

登山道に入ると前日の雨の影響で崩れた部分などあり渋滞(20分ほど停滞)が起こってしまいましたが、むしろ休めて良かったくらいでした。

ひとつめにして最大のピーク、毛無山山頂からは一気に下ります。”風ごうろ”という浮き石でガレたテクニカルエリアもありますが、ここは得意なポイントなので順位を上げつつ気持ちよくセクション1を終えることができました。

レース中、写真を撮る余裕はなかったのでこの渋滞シーンだけです

メイン会場ではチームの仲間やリレーに参加していたヤマケンこと山本健一選手と和気あいあい。しかしセクション2の出だしでジョグし始めたところ何か調子がおかしい。下りは走れるのですが、フラットでは足が前に出ません。これは!と思ったときには既に遅く、所謂”ハンガーノック”状態となっていました。振り返るとセクション1で3時間30分かけているのですが、ここでジェルを1本とおにぎりひとつ、バナナ半分の補給しかできていませんでした。一気に登って、一気に下るコースだったのでタイミングを逃してしまったよう。

一度ハンガーノックになるとなかなか戻らないという話も聞いていたので荒療治が必要と思い、持っていたジェル全て(計3本)を投入して我慢して進みますが、このセクションはほぼ歩き通しとなってしまいました。

メイン会場に戻りアミノ酸を投入、3つめのセクションに一歩を踏み出しました。とはいえこの一番長いセクションも半分はだらだらした登りで歩いて進むことしかできません。DNFもチラつきましたが、後ろから軽快な足音が聞こえ、振り向くとリレーの最終走者として坂を駆け上がってくるヤマケンさんが。ここでハイタッチを交わしたらなぜか急に力がみなぎってきました。ちょうどフラットかつ気持ちの良いトレイルに入るタイミングだったこともあり、みるみる足が動き出して気がついたら駆け出していました。きっとこれまでに入れた補給やアミノ酸が効果を発揮し始めたところにメンタルな切り替えのスイッチが入って上手く行ったのだと思います。

ここからは完全に復活して最後まで走りきることができ、仲間が待ってくれているゴールにちょうど日没のタイミングで到着。目標通りヘッドライトを使わない時間に帰って来ることができました。ロングレースでは一度落ちても我慢すればどこかで復活するというセオリーを身を以て体験するある意味貴重な機会になったのでした。

野沢温泉の魅力

実はこの半年でJR飯山線エリアには3度目の来訪でした。3月に『mark』の取材のために信越トレイルに来たときには深い雪に覆われていました。インタビューの後にちょこっと野沢温泉スキー場でスキーをすることができ(全く上達はしないですが)、その時に信越トレイルと野沢温泉が飯山線を挟んで向かい合うような位置づけになっていることを知りました。6月末にはその信越トレイルをほぼスルーハイク、そして今回の『The 4100D マウンテントレイル in 野沢温泉』に参加して、このエリアが年間を通して山遊びが楽しめる豊かなエリアであることを実感しています。(スキーが上手くなったら、もっと野沢温泉と仲良くなれる気が…)

レースの前後での仲間との外湯巡り(それぞれに特長のあるお湯にびっくり!)も楽しんで、一足早い夏休み気分を満喫できました。リレーやショートレースもあるので様々な走力のランナーが一緒に楽しむことができるのも魅力。来年もまた戻ってきたいなと思える良いレースでした。