fbpx

(写真 熊野淳司 / 文 AI)

2013.8.11(sun) 10:00-12:30pm SUPヨガ / SUP Yoga

アメリカ生まれのスタンドアップパドルヨガ

逗子駅からバスで15分ほどの一色海岸の近く。自然の中で行なうワークアウト“アウトドアフィットネス”を推奨する「BEACH葉山」は、遊びながら屋外のアクティビティを体感できる場所。

今回、受けてきたのは、ビーチシーズンの夏にとくにおすすめの「SUP YOGA / サップヨガ」。パドルを使って水の上を移動する「スタンドアップパドル(SUP)」は、サーフィンのボードよりも浮力が大きく、面積の広い専用のロングボードを使い、初心者でも比較的トライしやすいのが特徴的です。アメリカ・ハワイ発祥のマリンスポーツで、日本でのファンも増え始め、沖縄や湘南エリアなどのビーチタウンで目にする機会も多くなりました。そして、このSUP用ロングボードを使い、ヨガを楽しむのが今回体験した「SUPヨガ」です。

この連載のビーチヨガ編に続きレッスンを担当してくれたのは、Tamao先生。ヨガ、サーフィン、トライアスロンなどマリンスポーツをこなす先生とは1年ぶりの再会でした。

体感を強くする水上のグランディング

大きさに似合わずサーフボードよりも軽量で、女性でも安心して運ぶことができるSUPボードを持って、さっそく砂浜へ。まずは、ボードの上で少しずつカラダをほぐしながら緊張した心とカラダを緩めます。常にビーチのある暖かい場所を旅先に選ぶ私ですが、実はマリンスポーツは大の苦手。サーフィンの経験もなければ、泳ぐこともできないのです。「水を怖いと思わないで自然と仲良くなる、ゆだねる感覚が大切、ヨガと一緒だね!」Tamao先生のアドバイスで不安な気持ちはすっと消えてしまうので不思議です。

泳げない人にとって、海の上は少し怖いと感じる場所。ヨガに例えるならば、初めてのポーズにチャレンジするとき、少しの緊張と恐れを感じることがありますが、この感覚に近いかもしれません。まずは水への恐怖心を取り除き、海を楽しむ。そして自分の中で良いイメージを作っていきます。

水面にボードを浮かべてパドリングで沖まで進みます。「パドリングはカラダの軸を意識して、臍(へそ)を行きたい方向(沖)に向けると戻されずに進めるよ!」というアドバイスに沿って意識を変えるだけで、初心者の私でもスイスイと進めます。徐々に海面の色が変化し波が穏やかになると、みんなのサーフボードを重りで固定します。カラダの背面をボードにあずけて仰向けになり、視界が空と海だけでも、流される心配がないので安心です。パドルを使ってバランスをとりながら、静かな波でボードが揺れる感覚をカラダで味わっていきます。

自然との一体感がうみ出す極上のリラクゼーション

少しずつ感覚がつかめたら、Tamao先生のデモンストレーションで、ボードの上に立ち上がりスタンディングのポーズにチャレンジです! 波でボードが揺れる感覚を楽しみながら、ターダーサナ(立位の基本姿勢)で股関節の内転・内旋の意識をより強め、自分の中心軸を見つけていきます。徐々に、グランディングとコアを意識しながらヴィンヤサで呼吸とカラダを繋げます。アド・ムカ・シュバナーサナ(下を向いた犬のポーズ)やヴィラバドラ・アーサナ(戦士のポーズ)など、慣れているポーズも水面の上ではいつもとは少し違う感覚。バランス感覚を養うポーズでは、内転筋群(太股の内側の筋肉)を意識することの重要性を改めて感じます。不安定な水の上では、カラダの使い方はより繊細さが求められます。自分のカラダの弱い部分や普段意識が抜けているところが明確になり、そこから学ぶことがとても多いです。

ボードの上でシャバーサナになると、空の広さと美しさに吸い込まれそうになります。まさに極上のリラクゼーションと言えます。

不安定な水面でバランスを取りながら行うSUPヨガは、地上で行うヨガと何が違うのか。メンタルでは、自然の中で深い呼吸をとることでリラックス効果が高まり、瞑想に近い心地よさを感じることができます。フィジカルでは、体幹が鍛えられ、全身を効果的に使えるといえます。下半身の安定がうみ出すバランス感覚や筋力、そして肩の力が抜けリラックスした深い呼吸を、ヨガ以外のスポーツを楽しむ方にも是非体感して欲しいと思います。きっとそれぞれの気付きがあると思います。

海の上にいることを忘れてしまうほどの静寂に心が包まれ、身体は心地よい波の音、深い呼吸で大自然と一体感が感じられるSUP YOGA。是非この夏トライしてみて下さい。

Instructor:Tamao Iwasaki
Studio:Beach葉山 
最寄り駅:横須賀線 / 逗子駅からバスで20分
レベル:初心者〜ALLレベル