(写真 依田純子 / 文 小泉咲子 / 協力 GapFit)
10月は、乳がん啓発活動・ピンクリボン月間です。それに先立ち、9月30日〜10月2日、GapFitによるチャリティヨガイベント『GapFit CHARITY YOGA EVENT』が行われました。テーマは、“スポーツと乳がん”。その様子をリポートします。
運動で乳がん罹患率は減少し、再発防止にも効果が
朝8:20、朝陽の差し込むGapフラッグシップ原宿に、当選した参加者の女性が集まった。現在、日本では乳がんの罹患率が30代から少しずつ上がり、40代後半でピークを迎える。参加者の中にもこの年代が含まれ、無関係ではいられない層だ。朝ヨガが目的の人が多数だったが、中には同僚が乳がんサバイバーだったり、祖母が乳がんを経験したり、何かしら乳がんへの接点がある人も。
前半は、早稲田大学スポーツ科学研究センタ招聘研究員の山内やよい氏と認定NPO法人キャンサーネットジャパンの川上祥子氏によるトークショーが行われ、がん予防とスポーツの関係性について興味深い話が続いた。たとえば、運動を週3日行っている人と月3日だけの人を比べると、前者は後者より乳がん罹患率が27%も低い。罹った後にとっても運動は有益で、再発リスクが下がるのだという。かといって、無理に行ったり、苦痛を我慢したり、運動がストレスになっては本末転倒。リラックスをもたらしてくれる運動がいいという。その点、ゆったり行えるヨガは、がんとの関連性からみても、素晴らしい運動と言える。アメリカやカナダ、ヨーロッパだけでなく日本でも、ヨガの効果により、乳がんと診断された人の倦怠感が軽減されたり、不安や抑うつが軽減するという結果も出ている。
いちばんよくないのは、座りっぱなし。オフィスでも30分に1回はブレイクを。職場を一周したり、デスクで簡単にできる“椅子ヨガ”をしたりするといいが、無理であれば立ち上がるだけでも、座りっぱなしよりはずっといいそう。
正しい検診のあり方についても説明が。日本では40代以上の女性に対して、2年に1回マンモグラフィー検査が推奨されている。乳がんは、誰にでもかかる可能性がある。「自分や大切な人がかかった時にどう向き合うか、あらかじめ心構えをもっておくといい」とアドバイスがあった。
朝ヨガで1日を爽やかにスタート!
後半は、50分間のヨガレッスン。まだ完全には起きていない朝の身体を、インストラクターの大友麻子さんの指導により、ゆっくりと覚ましていく。さまざまなポーズやストレッチで体温をアップ。縮こまった筋肉を伸ばし、全身、左右のバランスを整えていく。大友さんがレッスン中に何度も言っていたのは「大げさなくらい吐いて」。ふぅ~と息を吐き切ると、頭の中がふわっと軽くなる感覚が気持ちいい。「頭の中に留まっている手放せない思考を放すように」と大友さん。呼吸に意識を向け頭を空っぽにすると、気持ちまでもが軽くなった。
この日の参加費は、全額キャンサーネットジャパンに寄付され、乳がんに関する支援活動に役立てられる。また、参加者には乳がん啓蒙のシンボルカラー、ピンクのTシャツがGapFitから贈られた。
「がんと運動の関係は知らず、気持ちがいいという理由だけでヨガやランニングをしていました。今日、さまざまなデータを知ったのを機に、健康や自分の身体とも向き合いながら、続けていきたい」と参加者のひとり。正しい知識を身につけることは、がんサバイバーへの偏見をなくし、間違った情報を掴まないために大切だ。さらに、自分の身体へ意識を向けるきっかけにもなっていた。今回のイベントを通じて、参加者それぞれが何かを感じ取ってくれたに違いない。
今回のチャリティ寄付総額:46,000円
(チャリティヨガ参加費36,000円 / 寄付のみ10,000円)
寄付先:認定NPO法人キャンサーネットジャパン