(写真 onyourmark / 文 礒村真介 / 協力 TomTom)
TomTom(トムトム)は、昨年にGPSランニングウォッチの日本展開をスタートさせた今注目のオランダメーカー。代表的な3モデルである「TomTom Runner3」「TomTom Adventurer」「TomTom Touch」はいずれもスタイリッシュであり、かつガジェットらしさも残すという、ダッチデザインの”らしさ”を存分に感じさせるもの。だから競技者やスポーツアディクトだけでなく、ライフスタイルの延長としてアクティビティを楽しむ人が身に着けるプロダクトとして、間違いなくしっくりくる「ザ・ウェアラブルデバイス」といえる。
そんなウェアラブルデバイスの未来を照らすTomTomの魅力を、全3回の連載で紐解いていく。第1回目は、来日を果たしたTomTomスポーツプロダクトのバイスプレジデントプロダクトマネージメント、ウォルター・ハームセン氏に、ウェアラブルデバイスとしてのTomTomの現在と、未来を聞いた。
GPSウォッチに参入したきっかけとは?
実は私たちTomTomはBtoBの分野でもビジネスを展開しておりまして、GPSマッピングやカーナビゲーション、自動運転、スマート信号機など、テクノロジーの民主化をかかげたプロジェクトを多数展開しています。本社には4000人以上の社員がいるんですよ。
ウェアラブルのスポーツプロダクトは、数年前にNikeと協業で開発したGPSウォッチがきっかけでスタートしました。ことスポーツの場では、ランナーならば走るスピード、心拍数、体脂肪率など、自分のパフォーマンスを理解したいというニーズがありますよね。そういったニーズに対して私たちが培ってきたテクノロジーが役立つのではと考えたのです。
自分の身体やパフォーマンスをさまざまなセンサーで測定し、時計の画面というインターフェイスでその結果やデータを提示することで、パフォーマンスアップやそのスポーツを楽しむことに生かしてもらえますから。現在の走るスピードであればGPSとモーションセンサーで、心拍数なら手元の脈で測れる光学式センサーで。
また、今は多くのランナーが音楽を楽しみながら走っていると思いますが、スマートウォッチとして音楽再生機能を備えるようにしているモデルを選んでくだされば、ランニング中にスマートフォンを携行するわずらわしさから解放されます。こういった今までの”バリア”を取り除くこともTomTomが提供できるベネフィットになります。
参考にしたのはロレックス!?
時計という形態には大きな可能性を感じますし、こだわりも持っています。もちろん、時計ではないウェアラブルデバイスというのも技術的には可能でしょう。でもまず第一に、ランニングなど何か動作をしている最中に、フィードバックを受ける=見るのであれば手元というのはとても便利な場所です。
また、例えばロレックスは、着飾るための宝飾品でありながら、ブランディング、つまり自分が誰であるかを表現するためのものでもあります。TomTomの場合であれば、身に着けることはスポーツを楽しんでいる人間だということを示すことになります。一言でいうとファッションです。ですからTomTomは、スポーツファッションのトレンドの反映やデザインに関しては時間をかけて取り組んでいます。例えばベルトを簡単に取り替えられる仕様にして、「レストランで外食を」というときには相応のデザインのものへと気軽に替えられるように。画面表示の分かりやすさ、デザインの美しさもぜひ他と比べていただきたいポイントです。
もちろんインターフェイスのユーザビリティ、ガジェットが苦手な人にとっても使いやすい操作性ということも大事です。それはすなわち、捨てるべきものは捨てるということ。機能は盛り込めばいいというものではありません。取捨選択をして、適正なプライスと過不足のない操作性に落とし込むことが重要なのです。コミュニケーションに難があるウェアラブルデバイスであってはいけません。
TomTomが見据える、ウェアラブルデバイスの未来
今までのお話に加えて、私たちが意識しているのは『人々が本当に求めているのは何か』ということです。自分が一日に歩いた歩数ではなく、自分の調子がいいのか悪いのか。それをキープしたり改善したりするためには何をするべきなのか、あるいは止めるべきなのか。そういった次に何をするかの答えを出すことが本当の価値と言えるのではないでしょうか。
ウェアラブルデバイスの未来ですか? そこまで大それたことは分かりませんが、今チャレンジしているのはフィードバックのアプローチに関する課題です。例えば同じ「今の運動量は十分ではありません」というメッセージを発するにしても、運動習慣のある人とない人では受け取り方が違うんです。活発な人たちは『何くそ』とモチベーションが高まる傾向にありますが、それほど活発ではない人たちに同じメッセージを出したところ、かえってモチベーションを低下させてしまうという結果が出ました。
どんなフィードバックをしたら健康に役立つか、あるいは幸福を感じるか、同じメッセージでも受け取る人のグループ分けによって違った意味合いを持つため、難しい問題です。使い手のコンテキスト、つまり生活習慣や状態に合わせたアドバイスが理想的なのです。ウェアラブルデバイスを利用する人にとって健康を運ぶものでありたいですし、それこそが私たちが提供できる幸福のひとつですから。
ウォルター・ハームセン
アイントホーフェン工科大学卒業後、ロイヤルフィリップス社でキャリアをスタート。DVD、インターネットストリーミングプロダクトなど幅広いカテゴリの製品戦略とマーケティングを担当し、2006年にTomTom入社。同社の大きな成長要因となった ポータブル・ナビゲーション・システムのプロダクトマネジメントを経て、2012年よりスポーツプロダクトの開発責任者となる。Nikeと協業で開発した、TomTom最初のGPSウオッチの開発から、現在に至るすべてのスポーツプロダクトの開発を担当している。
TomTomの代表的アイテム
「TomTom Adventurer」
「TomTom Runner3」
「TomTom Touch」
TomTomでは現在、日本上陸1周年キャッシュバックキャンペーンを実施中!
詳しくはこちら→https://tomtompromojp.sales-promotions.com/