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66年前、アメリカ・バークレーでアルパインブランドとしてスタートしたTHE NORTH FACE。原点の“山”に立ち返り、アルピニストのためでありながら、ランやヨガなど、どんなトレーニングでも使えるウェアを展開するカテゴリーが「MOUNTAIN ATHLETICS」だ。未経験のトレーニングが心身に気づきをもたらしてくれるという考え、“INTO THE MIND”をコンセプトに、onyourmarkでは「MOUNTAIN ATHLETICS」とともに毎月ワークショップを行っている。ヨガ、総合格闘技&ラン、ヤムナボディローディングと続いた本シリーズも4回目。トレーナーのパブロ・エリックさんが、自身のルーツ、ブラジル発祥の格闘技、カポエイラを教えてくれた。

(写真 古谷勝 / 文 小泉咲子 協力 MOUNTAIN ATHLETICS / ロケ地協力 カポエィラ・テンポ

8月26日、格闘技ジムGENスポーツアカデミーに男性8名、女性10名が集まった。全員がカポエイラを行ったことがないという。それなのになぜ、カポエイラをやってみようと思ったのか――。

「まったく触れたことのないスポーツだと、新鮮な気持ちになれるかと思ったので」とは、ラン中心のスポーツライフを送る男性。ヨガを何年も続けている女性は、「新しいことをして、刺激をもらいたくて」と話してくれた。ひとつのスポーツを突き詰めていくと、少なからずマンネリになってしまう。そこで、新しいトレーニングを取り入れることで、定期的に行っているスポーツに対して、新たな気持ちで向き合えるきっかけになり得るのだ。

カポエイラで新しい身体の使い方をマスター

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ワークショップは、カポエイラの由来から始まった。「奴隷が支配者たちに立ち向かうために生まれたと言われています。しかし、いかにも格闘技だと支配者たちに気づかれてしまう。そこで、踊りと音楽の要素を入れてカモフラージュしたんです。見回りが来たら、音楽で仲間に知らせることもできます」(パブロさん)。なぜ、格闘技とダンスの要素がミックスされたのか、納得だ。

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この日は、基本的なステップをいくつか習ったのだが、その中でも、基本中の基本となるのが“ジンガ”というステップ。どの技も、ジンガから始まり、ジンガで終わる。両脚を横に大きく開き、左脚を後ろに引く時に左手で顔をガード、元に戻してから、手を入れ替えながら右脚を後ろに引く。いたってシンプルではあるが、リズムよく行うだけで呼吸が上がってくる。

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ふたり一組になって、蹴りをよけるトレーニングは、ゲーム性があって大いに盛り上がった。「ガードを忘れない!当たったら死ぬくらいの気持ちで」と檄が飛ぶ。自分も蹴って、ガードでよけてと繰り返していくと、アドレナリンが出てくるのが感じられる。蹴りは、身体をひねって力を溜め、一気に蹴り出す。「身体が固くても、体幹で身体をキープしながら腰を前に突き出し、腹から遠くに振り出せば、脚は高く上がる」とは、今回のロケーションを提供してくれたカポエィラテンポ理事長の須田竜太さん。体幹を鍛えることができる、新しい身体の使い方だ。

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圧巻のデモンストレーションに大興奮!

最後は、楽器を交えて、本格的なパフォーマンスを披露してもらう。弦楽器と太鼓とで奏でる賑やかな音楽に、参加者は手拍子で、ジョーゴ(組手)をするふたりを盛り立てる。繰り出されるアクロバティックな動きの数々に、圧倒されっぱなし! 自然と、手拍子にも力がこもり、歓声が起こる。ジョーゴは次々に人が入れ替わり、パブロさんのような大柄な男性相手に、小柄な女性も果敢に挑んでいく。側転、逆立ち、宙返り……音楽や手拍子にのって、それぞれのスタイルで自由に大技を決めてゆき、けっして見飽きることはない。

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「声援に後押しされてハートが熱くなるんですよ。勢いがどんどん増していって、“スピードの向こう側”に行く感覚っていうのかな。その時は『何だってできる』って本気で思えるんです。その瞬間をみんなで共有できるのがカポエイラの魅力ですね」

参加者は、どんな新しい気づきを得たのだろう。

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「ふだんはヨガやスタジオトレーニングをやっているんですが、リズムを取って身体を動かすことがないので、新鮮でした。ヨガは静、カポエイラは動のイメージで真逆だと思っていたのに、突き詰めていくと“自分”という軸に向き合い、集中を高めていくところは共通していると感じました」。

「ずっと続けているランニングではしない動きばかり。まったく知らないスポーツだったので不安でしたが、だんだんできるようになっていくのが楽しかったです。柔軟性を養えるし、股関節の使い方なんかは、ランニングに活かせますね」。

「新しい動きをしたことで、ふだん使わない筋肉に刺激を入れられました。手拍子だけなのに、パフォーマンスしている人たちとの一体感や解放感も味わえました」。

パブロさんにカポエイラで得られるものを尋ねてみた。「カポエイラって、応援しているだけなのに、気持ちが高揚していって、『明日も頑張ろう』と思えるんですよね。なので、カポエイラで得られる最大のものは、そうした前向きな心なんじゃないかな」。

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「MOUNTAIN ATHLETICS」による“INTO THE MIND”ワークショップのレポートは、今回が最後となるが、これまで紹介した4テーマで、ワークショップは続く。次回は、高尾山の寺院で深田美佑さんを講師に迎えたヨガを開催。イベントの応募はこちらから。

パブロ・エリックさんオススメのウェア

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カポエイラは動きが激しく大きいので、ウェア選びはほんとうに大事。このTシャツは、軽いですし伸縮性があって、動きがまったく邪魔されませんね。デモンストレーションでたっぷり汗をかいたんですけど、速乾性が高いからか、もう乾いてる。もうすっかりサラッとしてますよ」。Tシャツ¥4,212

パブロ・エリック

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ブラジル生まれ。6歳で来日し東京で暮らしてから、ブラジル文化から遠ざかっていたが、「少しでもブラジルのことを知ってほしい」と母からカポエイラを勧められる。現在は、新宿や渋谷にある 「カポエイラ・テンポ」に所属し、指導も行う。カポエイラには、儀式 色が強い“アンゴ ーラ”とテンポの速い“ヘジォナウ”の2つの流派があり、持ち味であるスピ ードを活かせる後者を選択。雑誌や動画、MV出演などもこなす。 capoeira.or.jp