ふぐの旬は産卵期前の冬。全国で水揚げされた「とらふぐ」の多くが山口県下関の南風泊市場(ふぐ専門市場)にいったん集められ、ここから消費地に運ばれていく。今では流通しているとらふぐのほとんどが養殖物であり天然物は10%に満たないとも言われているが、下関ではそんな貴重な天然物にも巡り会える可能性が高い。
ふぐは白身で淡白な味わいと歯ごたえのある筋肉質な身が日本人に好まれているが、ご存知の通り強力な毒を持つ魚。取り扱いの細かい規制が設けられているため、特に関東では食卓に並ぶ機会が少ない。
もしも自宅で食すなら、スーパーやネットで、きちんと身がきされた“ふぐちりセット”を購入すると良い。これを、ゆず果汁とだしと醤油で作った自家製ポン酢、あるいは柚子胡椒やかんずりなどでいただく。たまにはそんな贅沢な冬の味に舌鼓を打ってみてはいかがだろう。