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春先に芽吹いた山椒の若芽である木の芽は、季節によって呼び方が変わり、立夏(5月5日ごろ)から葉山椒と呼ばれ始める。その後、雄株に芽生えるつぼみを実山椒、黄色い花を花山椒と呼ぶ。今日はそのなかでも比較的希少な「花山椒」を紹介したい。

清涼感のある香りをもつ実山椒と比べると、おだやかな辛味を特徴とする花山椒。出汁を含んだつぼみを口の中でじゅわ〜っと噛みしめるときの味わいにやみつきになる人が多いことから、関西の料亭では花山椒鍋が愛されている。ちなみに、食通で知られる北大路魯山人も花山椒好きだったとか。

スーパーなどではなかなか出回らず、おもに市場で手に入る。シーズンも短期間なので、見つけたときはすかさず購入したい。家庭でいただくなら、お茶漬けのトッピングに。おつゆをふっくらと含んだ花山椒のおいしさは格別。香りも実に優しく、食欲がわかないときも、さらりと食べられる。