黒みがかった「茄子」は、土用のうちに積極的に食べたい食材の一つ。黒色がよいと言われるのは、丑の方角(北)を守護する玄武の色に由来するためだ。おいしい茄子の見分け方は、皮やヘタの色が濃いもの。また手に取ったときにどっしりと重みがあるほど、実がジューシーで肉厚である。
近年さまざまな品種の茄子が栽培されているが、使い勝手がいいのは千両茄子。ほどよく締まった実とやわらかい皮をもち、漬け物はもちろん、煮物や焼きものなど加熱調理にも向いている。
土用にはシンプルに焼き茄子にして、素材そのものの味や食感を楽しみたい。トースターやオーブンなどで真っ黒になるまで焼き、塩をぱらりとかけるだけ。取り出すときのために、へたを落とさず、額だけを向いて焼くのを忘れずに。ご飯に合うおかずを作るなら、ピリ辛の味つけがおいしい、茄子と豚肉、ピーマンの炒め物を。乱切りにした茄子と細切れの豚肉、ピーマンを油で炒めて、豆板醤とおろしニンニク・味噌・酒・みりんをといた合わせダレで味つけ。最後に青じそをちらせば爽やかな香りがアクセントに。