「柿食えば鐘が鳴る鳴る法隆寺」といった俳句や、サルカニ合戦など昔話にも多く登場するほど古くから日本人に愛されてきた、柿。あまり人の手を加えなくても豊かな実りをもらたすことから、民家の庭先で見かけることも多い。渋柿は寒さにあたることで信じられないくらい甘いドライフルーツ(干し柿)になり、柿の葉はその風味の良さと高い防腐効果により柿の葉寿司に使われる。つまり無駄なところが一切ない。
柿というと、柿の白和えや柿なますなど、和食料理に使われることもしばしば。かと思えば外国でもKAKIと呼ばれて親しまれ、洋風の料理にも向いている。柿のキャラメルソテーにアイスクリームを添えてデザートにしたり、洋酒で戻した干し柿をパウンドケーキに焼きこんだり、生ハムと柿のサラダ仕立てにしたり。さいの目に切った柿と秋のフルーツ(洋梨やキウイ、リンゴなど)を白ワインと砂糖でマリネしたマチェドニアは、おもてなし料理としても最適だ。