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編集部が実際に体験したものだけをリポートするmark gear by onyourmark。今回は、春に1年ぶり2度目のフルマソン出場を控える編集部小俣が、ミズノのマラソン用シューズをインプレッション。『サブ3.5を目指すランナーをサポート』するという触れ込みが、PBサブ4という小俣に響いたのでした。

2020年が明けてからの駅伝やマラソンの話題の中心はかれこれずっとシューズだ。最速が謳われたシューズは、それゆえに禁止されるかもしれないと世間を騒がせている。そんな中、ミズノが2019年末にリリースした新作ウエーブエアロ18を履いて走ると、質実剛健なブランドを体現するかのような好印象をもった。年末年始のテストランからレビューをお伝えする。

mizuno_waveaero

ランニングが単なる競技の枠には収まらず、ライフスタイルとして定着した昨今にあって、ランニングシューズもただ性能がいいだけでは人目を惹かない。ユニークで目を引くデザインの海外ブランド、派手さはなくとも堅実なものづくりの国内ブランドという大きな二元論の、どちらを支持するかはランナーとしてのアティチュードの表明でもある。

でも、正直なところを言えばデザインが良くて走りも良いシューズを履いて走りたいのである。私はフルマラソンでサブ4レベルという、もっともっと走りたいし、もっともっと速くなりたいという、ランが楽しい段階にある。ウエーブエアロ18のターゲットは、サブ3.5を目指す現サブ4ランナー。まさに私の用途にぴったり。

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手に取ってみると、「エアロ」という名称ならではの軽量さに驚いた……のだが、それよりまず驚かされたのはそのデザイン。いい意味でミズノらしくない、ステルスなロゴに蜂の巣を思わせるニットアッパーだ。前モデルのウエーブエアロ17と比較すれば、「今風」のデザインになったと言っていいだろう。

足入れのフィット感は良好で、しなやかなアッパーと相まってしっかりと足をホールドしてくれる。このあたりのフィットの良さは日本人の足を知る国産ブランドらしさがあると言えるだろう。ワイド版の設定もあるというから、多くのランナーにフィットするはずだ。

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走り出してみると、非常に軽快に足が出ていく。シューズの軽さ(およそ225g/27cm)と、ソールの反発力とが相まってすっすっすっと足が出て行く感覚だ。それもそのはずで、このシューズの売りは「高反発」。陸上用スパイクに着想を得た樹脂製のWAVE DUELプレートをさらにカスタマイズしたものを採用し、前足部の反発性を高めているという。ミズノが長年ノウハウを培ってきた陸上スパイクの技術が、フルマラソンに生かされている。

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足がどんどん出ていくとなると、気になるのはクッション性能。特に私は典型的なヒールストライクなので、クッションが合わないシューズだとすぐに膝が痛くなるのが辛いところ。ウエーブエアロ18を履いて走っていると、足裏に感じるのは硬質なロードインフォメーション。クッショニングを重視した作りとは思えないが、しかしこれで合計100km弱を走ってみても一切の痛みが出ないところをみると、最適なクッション性だと言わざるを得ない。

このあたりの設計の妙は、ミズノのブランドとしての質実剛健さが見事に現れたものだ。4分40秒/kmペースで走ると軽快さと反発力とクッション性のバランスの良さを実感でき、気持ちよく走っていける。3月のマラソンに向けてもう少し距離を走り込みたいこの時期に、痛みの出ない軽快シューズは大きな味方になってくれそうだ。質実剛健さに軽やかさが加わったこの一足は、サブ3.5を目指すランナーの選択肢に入ってくる秀作だ。

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ミズノ ウエーブエアロ18
カラー:ブラック×グレー×ブルー
サイズ:22.5~29.0cm
重量:約225g(27cm)
mizuno.jp/running/waveaero