2)ザックの上から羽織ることができるカッティング
S/LAB MOTIONFIT 360 JKT の背面には大きめのマチがついています。これによって、このレインウェアは薄手のベスト型ザックを背負った上から羽織ることができます。
これはトレイルランナーにとっては2つのメリットがあります。
1つはレインウェアを着脱する際にザックを下ろす必要がないこと。
レースにおいてトップランナーであれば少しの時間も短縮したいですし、ボリュームゾーンのランナーもロングレース後半では疲労から少しでも無駄な動作を省きたくなります。そんな感じで、トレイルランナーにおいてザックの上からレインウェアやウインドシェルを羽織るというのは、割とよく知られるテクニックですが、ザックの上から羽織ることが前提のウェアはほとんど無く、普通のレインウェアをサイズアップして買う人もいるくらい。このウェアは、そういったニーズに完全に応えています。
もう1つは、雨でザックが濡れずに済むこと。
トレイルランでザックにレインカバーをかける人はあまり見ません。中の物を濡らさないためにはドライサック(防水のスタッフサック)を使うのが一般的ですが、ザック自体は雨を吸って重くなったりします。ザックの上からレインウェアを羽織ってしまえばそのようなことはありません(ただ、結局自分の汗でザックの中は濡れるので、濡らしたくないものはやはりドライサックには入れてくださいね)。
更に、この構造はGORE-TEX SHAKEDRY™の弱点をも補っています。先にも触れたように繊細なSHAKEDRYの表面とザックとの摩擦を避けることができるのです。なんか色々理にかなっていますね。
ただ、ここまで書いておいて何なんですが、このカッティングが革新的というわけではありません。MARK GEAR by Run boys! Run girls! の熱心な読者の方(どれくらいいるのだろう笑)であれば、お気づきかもしれませんが、2018年のレインウェア特集で紹介した、THE NORTH FACE の HYPERAIR GTX HOODIE が
GORE-TEX SHAKEDRY™ + ザックの上から羽織る
という構造で、ランナーの利便性とSHAKEDRYの弱点の回避を実現しています。
といいつつ、Salomon S/LAB MOTIONFIT 360 JKTがTNFの後追いかというと、それもまた違います。実はS/LAB MOTIONFIT 360 JKTには先代モデルが有り、そちらはSHAKEDRYは使用していないのですが、その時点で背中にマチがありザックの上から羽織る構造を実現しています。
ちなみに僕がザックの上にウェアを羽織るスタイルを初めてみたのが2012年のUTMF。当時SalomonのアスリートでUTMFを優勝したJulien Chorierが、夜間のパートでベスト型ザックの上に超薄手のウインドシェルを着用していました。S/LABはSalomonアスリートのニーズが反映されたプロダクトをずっと作り続けていますので、このカッティングはそういう文脈から生まれたものだと想像できます。

写真:Dogs or Caravan
商品ページ
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※本商品はECサイトへの掲載をしておりません。商品についてより詳しく知りたい方は、上記のフォームよりお問い合わせください。
1.GORE-TEX SHAKEDRY™ による永続的な撥水性と高い透湿性
2.ザックの上から羽織ることができるカッティング
3.身体にフィットする Motion Fit™ 360° テクノロジー
4.脱がなくていい??ウエストに収納可能な設計
5.実際の使用感は?