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ロードバイク、クロスバイク、MTB、ピスト……家に乗らなくなった自転車があったら、それは今、体を動かすチャンス。ローラー台を使った自宅サイクリングで #stayhome しながらも運動してみませんか?

新型コロナウイルスの流行により、思うように外で体を動かしづらいこの頃。onyourmarkではSTAY HOME, STAY FIT お家でフィット宣言と題して、自宅でできるエクササイズを取り上げています。今回は、自宅で出来るサイクリング。普段はランニングやジムなど、サイクリストではない方にこそオススメの自宅サイクリングをご紹介します。

2012年から2014年にかけて、日本ではスポーツバイクのブームがやってきました。onyourmark読者の中には、その頃に自転車を買われた方も多いのではないでしょうか。2013年に始まったonyourmarkの人気連載、市井のフィットネス愛好家をピックアップするMARK PEOPLEにも多くのサイクリストを紹介してきました。とはいえ、いち自転車乗りの肌感覚として、ここ数年はイベントやレースなどに一時の人出や元気がないと感じるのも事実。一度買った自転車、家の隅でホコリをかぶってはいないでしょうか? 

でもその自転車に、このタイミングだからこそもう一度乗ってみませんか? 外ではなく、家の中で乗る方法があります。そして、(ジムのエアロバイクに乗ったことのある人ならご存知の通り)自転車はかなりいい運動になります。室内で安全に、フィットネスを楽しむ自宅サイクリングを始めてみませんか? 街乗り用のピストバイクやクロスバイクも、あなたの健康とメンタルを向上させる最高のツールになってくれます。

サイクリングは自宅でできる!

自宅サイクリングをするにあたって、必要なものは次の通り。たった2つだけです。

・スポーツタイプの自転車
・ローラー台

もし自転車をすでに持っているなら、「ローラー台」を購入するだけで自宅サイクリングが始められます。ローラー台とは、自転車を固定するトレーニング器具。ホームトレーナーやターボトレーナーとも言われます。いろんな種類やグレードがありますが、今回オススメするのは「固定ローラー」と呼ばれる後輪接地型のエントリーグレード。多くのスポーツバイクに装着が可能で、負荷調整が手動でできます。

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多くのスポーツバイクで使用可能なミノウラ 〈MagRide-Q〉

例えばローラー台を数多く手がけるミノウラのエントリーモデル〈MagRide-Q〉。定価は17,160円(税込)。自転車の後輪を挟み込んで、ローラー部とタイヤを触れるようにセットすればOK。これだけで、あなたの自転車が家で乗れるようになります。さぁレッツライド! ……してみるとわかるのですが、ローラーで自転車に乗る上では、もう少し揃えた方が快適になるグッズがあります。いくつかはすでに家にあるはず。

・ハンドタオル
・ヘッドバンドないしキャップ
・ウォーターボトル
・マット

とにかく、ローラー台でのサイクリングは汗をかきます。外を走る時には風を受けているため感じにくいですが、サイクリングでは相当の水分を消費し、発汗しています。室内で乗っていると、10分もすれば汗がぽたぽたとバイクに、そして床に落ちてくるはず。なので、ハンドタオルで汗を拭きながら走れるよう、自転車の上から手の届く範囲にタオルを置いておきます。ハンドルに引っ掛けておく、肩にかける、あたりが定番です。同じ理由で、ウォーターボトルも手の届くところに置くこと。ボトルケージ付きのバイクなら自転車に、そうでなければテーブルや窓べりなど、高さのあるところに飲める水分を置いておきましょう。ヘッドバンドやキャップは汗を吸ってくれるのであると便利。

マットもすぐに必要さを感じるかもしれません。上で紹介した〈MagRide-Q〉は負荷が低いため、ミノウラ製品中発生する音量が「最も小さい」というメリットがありますが、一般に後輪接地型のローラー台はそれなりに騒音と振動が発生します。それを軽減してくれるのがマットです。集合住宅にお住まいなら近隣との関係もありますし、そうでなくても汗が直接フローリングに落ちて傷めるのを防ぐ効果も。専用品でなくても、ゴムマットをホームセンターなどで探してみても良いかもしれません。

自宅サイクリング、まずは20分から

準備が整えば、あとは乗るだけです。乗れる自転車があるのだから、特にルールはありません。乗りたいように乗ればいいのです。ただ、普段から自転車に乗り慣れていない人が頑張りすぎちゃうといきなり辛くて続けるのがイヤになってしまうかもしれません。心地よい運動レベルから始めてみましょう。

オススメなのは、軽いギアでクルクルと回して乗る方法。どうしても、乗り慣れていない人は重めのギアを踏みがちですが、スポーツサイクリングではペダルの回転力(ケイデンス)をつけるのが大事。脂肪の燃焼効率も上がりますし、膝や腰、お尻へのダメージも少なく体に優しく心肺を鍛えられます。

それに、軽いギアをクルクル回すのも、結構疲れるものです。特に乗り始めの方であれば20分も続けられれば十分です。ローラー台の負荷を弱めにし、ギア付き自転車の場合は軽めのギアに入れておきましょう。手応えがないな、くらいで始めはOK。目安となるケイデンスは80〜90回転/分。とはいえ、センサーがないとケイデンスは測れないので、1秒に1回転ではギアが重すぎる、と考えましょう。

他スポーツで自身の心拍数を把握している方は、心拍数を見ながら走るのもフィットネスの効率が上がります。ローラー台はトレッドミルのように常に一定の負荷がかかるので、心拍数を見て無理なく走る目安にしましょう。最大心拍数(VO2max)の60%がフィットネスの目安になります。

<メニュー>
・20分 回転数80〜90/分 最大心拍の60% ギア軽め

まずはここからスタートしてみましょう。意外とサドルの上でひたすらペダリングする20分は長く感じられるのでは? そして、体はそこまで疲れていなくても、たくさん汗をかいているハズ。いい運動なんです、室内サイクリング。終わってみると頭も体もスッキリです。

これを元に、時間や負荷、心拍数、ギアを調整していきましょう。ツライと感じるまで頑張りすぎないのがポイントです。シリアスな選手になってくると、気を失うまで追い込めてしまうのがローラー台。くれぐれも、余裕をもって、体を動かすことを楽しむ感覚で。

とはいえ、景色が変わらない中ただペダルを漕ぐのも、時間が伸びれば伸びるほど精神修行と化してきます。室内ローラーの良いところは、いい意味で片手間でできること。そこで次ページでは、ローラー台セッションでの、続けるための時間の過ごし方を提案します。

室内だからこそ! 退屈しない自宅サイクリング5つのTIPS

1. 音楽を聴く ★★★★★

プロのロードレーサーたちはレース前のウォーミングアップにローラー台を使用しますが、ほとんどみんな音楽を聴いています。気持ちを高めてくれる音楽を聴きながら、テンションを上げつつペダリングしていれば、あっという間に数十分のセッションが終わるかも。乗りたい時間に合わせてプレイリストを作成するのもお勧めです。onyourmarkのSpotifyではランニング用ではありますが、識者が作成したアップビートなプレイリストも公開中。防水のイヤホン・ヘッドホンを強く推奨!

2. ポッドキャストを聴く ★★★★☆

最近では細かなジャンルに特化したポッドキャストが増えてきました。特定のスポーツにフォーカスしたポッドキャストをフォローしている方も多いのでは? 通勤時間がポッドキャストタイムで現在リモートワーク中の方は、このローラーの時間に聴くのもいいかもしれません。あるいは、普段はなかなか聴かないようなジャンルにトライしてみても。ものによっては長いので最初には時間は要確認!

Side by Side Radio
元プロロード選手の西薗良太さんによるサイクリング・ポッドキャスト。東大卒の理系レーサーとして名を馳せた氏らしく、最新のトレーニング理論から自転車カルチャーまでを網羅した内容。

100miles100times
生涯で100マイルレースを100本走ることを掲げる、井原知一さん主宰のポッドキャスト。100マイルに挑むトレイルランナーのお役立ち情報はもちろん、様々なゲストによるトークが楽しい。

Replicant.fm
ランナーであるkntrさんがホストするポッドキャスト。トレイルラン・ロードラン・サイクリングやテック、ビジネスの話題が横断的に語られる。

3. 映画・ドラマを観る ★★★☆☆

淡々とペダリングを長時間したいときは映画も候補に。NetflixやAmazonプライムビデオで自宅サイクリングとの相性も抜群。とはいえ静かなシーンが、ライド音で阻害されるなどの弊害も。やはり映画はソファで、ポップコーンを食べながら観るべきかも?

4. 自転車レースを観ながら ★★★★★

せっかく自転車にいるのなら、そして普段は別のスポーツをメインにしているのであればぜひ自転車レースを観ながらのローラー台セッションを。ケイデンスを選手と合わせてみたり、坂ではギアを重くしたりと擬似的にレースの世界に参加してみるのも楽しい。独断と偏見による、オススメの自転車レースとその見方を下記にピックアップ。

ジロ・ローザ2019 第3ステージ
こちらは女子ジロ・デ・イタリアのゴール手前から。登り基調のフィニッシュで、最後に起こる一波乱に注目。登りを軽快に走って行く選手たちにその力強さを感じつつ。ロードレースの「勝ち方」について考えさせられるレースです。

パリ〜ルーベ 2018
フランスで毎春開催される、石畳を走るユニークなレース。砂埃にまみれた屈強な選手たちの力勝負が見どころ。最終盤でも、先頭を行く2人の選手の時速が50km/h超えというところにもプロ選手の恐ろしさがうかがえます。選手とケイデンスを合わせて走ってみたい。

5. Zwift ★★★★★

ここまで見たように、ただ漕いでいるだけではツラいのがローラー台。しかし、このローラーのあり方を一変させたのがZwift(ズイフト)です。onyourmarkでもCEOエリック・ミン氏へのインタビューを敢行しましたが、社会情勢を受けてその需要はさらに高まっている。やや上級者向けながら、自宅サイクリングの体験を劇的に変えるZwiftについては、改めて紹介します。

家でも乗れる自転車、ココロとカラダのリフレッシュに、ローラー台を使った「自宅サイクリング」を始めてみてはいかがでしょうか?