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圧倒的な反発力を備えた新素材『ミズノエナジー』を採用したランニングシューズ、WAVE DUEL NEO(ウエーブデュエルネオ)がミズノから発売された。その実力はどんなものなのか。青山学院大学時代、箱根で“花の2区”を走った経験があるトライアスリート、大谷遼太郎選手にじっくりと試してもらい話を聞いた。

駅伝ファンの方であればご存知であろう。WAVE DUEL NEOのプロトタイプである真っ白のハイカットシューズは、今年1月の箱根駅伝でちょっとした話題となった。10区で13年ぶりの区間新記録を樹立した、創価大学の嶋津雄大選手が着用していたからだ。新しい高機能シューズが登場すると試さずにはいられないというシューズ好きの大谷選手も、WAVE DUEL NEOのプロトタイプに注目していたという。

mizuno wave duel neo

「僕は後輩のゴールを見届けるために大手町にいたのですが、画面越しにあのシューズは気になっていました。派手なカラーリングのシューズを履いている選手が多い中で、真っ白が目立っていましたし、一見どこのメーカーのものかわからなかったじゃないですか! 周囲に聞いて確認したらどうやらミズノのシューズらしいということがわかって。その時からいつか履きたいと思っていたので、ついに試すことができてとても嬉しいです」

ペース、路面を変えながら、WAVE DUEL NEOをテスト。近年のエリート向けランニングシューズのトレンドとなっている厚底でもなく、カーボンプレートも搭載していない。普段からさまざまなメーカーのシューズを試して、フィーリングが良かったものを練習に取り入れているという大谷選手にとって、その走り心地はどうだったのだろうか。

mizuno wave duel neo
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WAVE DUEL NEO インプレッション

「実は箱根駅伝のプロトタイプを見たときは、カーボンプレートを搭載したシューズなのかなと思っていたんです。でも実際は新開発のフォーム素材とウエーブプレートの組み合わせの独自路線で、予想が外れました。走ってみた率直な感想ですが、とにかくミズノエナジーの反発性の高さにとても驚かされました。ギュンギュンとスピードを上げられる印象で、ジョグよりもレースペース、僕の場合は1km3分ぐらいのペースで走ったときに、一番シューズからの反発が感じられました」

1km3分ペースで最も反発を感じるとは、まさにエリート向けのシューズといったところだが、トップ・オブ・トップの層だけでなく、さまざまなランナーにフィットするのではないかと大谷選手は言う。

「WAVE DUEL NEOは、従来のミズノのシューズの流れを汲んで進化を遂げたシューズという印象の履き心地でした。いわゆる厚底でもないし、ゆりかごのように転がして走るタイプのシューズでもない。クセがないので、幅広い走り方にフィットするのではないかと思います。アウトソールはフラットに近いですし、前足部から後足部までしっかりとトレッドがあります。ということは、フォアフットやミッドフットで着地するランナーだけでなく、ヒールストライカーも想定しているということ。

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また、反発性やクッション性を重視したシューズは、安定性に欠けることがあるのですが、ウエーブプレートの効果なのか、WAVE DUEL NEOは着地時のブレを感じることもありませんでした。フルマラソンで言えばサブ3以上のランナーが最も恩恵を受けられそうですが、ランナーの走り方や、レベルを極端に限定するシューズではないとも思います」

ハイカットスタイルのニットアッパーは、フィット性に優れている。足とシューズが一体化することで、エネルギーロスを抑制。ランナーは、ミッドソールの高い反発性によるエナジーリターンを余すことなく受け取ることができる。

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「ハイソックスや足袋を履くような、足とシューズの一体感を味わえました。僕はアキレス腱痛を抱えていることもあって、踵が高い・硬いシューズは苦手なのですが、走っている最中にアキレス腱にストレスを感じませんでした。それだけフィット性が優れているのだと思います」

WAVE DUEL NEOを履くなら

練習メニューやコンディションによって、シューズを履き分けているという大谷選手。WAVE DUEL NEOは、どのように活用しようと考えているのだろう。

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「レースにも使ってみたいレベルのシューズなのですが、トライアスロンのレースはトランジションの時間を極力短くする必要があるので、着用するのに時間がかかるハイカットのシューズは残念ながら履けません(笑)。トレーニングであれば、300m×30本の練習のときに使いたいですね。レースペースで距離を踏む、動き作りと脚作りを兼ねた練習なのですが、スピードが出しやすくてクセがないWAVE DUEL NEOはとても向いていると思います。反発性が高く推進力を感じるのに、シューズに走らされている感覚がないのが凄くいいんですよ」

最後に、WAVE DUEL NEOはどのようなシューズなのかをまとめてもらいながら、シューズ選びについてアドバイスをもらった。

「ミズノエナジーという新素材を搭載して登場したWAVE DUEL NEOは抜群の反発性で、速く走ることを助けてくれるシューズ。レベルの高いランナーもきっと満足できると思います。真面目に細部まで作り込まれたミズノらしいシューズだなとも感じました。練習内容や自分のスタイルに合うシューズを選ぶことは、レベルアップに不可欠なこと。気になったシューズは試して、自分の感覚を大切にしてほしいなと思います。走り方によって“最高”のシューズは違うわけですから」

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左:熱圧着の補強パーツによって、レースホール周辺の剛性が高められている。フィット性に優れたニットアッパーだが、シューレースによる細かな調整が可能。右:WAVE DUEL NEOはランニングシューズとしては珍しいハイカットスタイルを採用。足首までをアッパーで包むことで、足とシューズの一体感が高まっている。履き口は前後に開いているので、足入れはしやすい。

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左:3種類あるミズノエナジーの中でも、最も軽量性に優れたミズノエナジー ライトをミッドソール全体に採用。従来のミッドソール素材と比較して、柔軟性が約22%、エナジーリターンが約35%向上しているという。右:軽量性を維持しながら、ソックスのようなフィット性を実現したニット素材のアッパー。部位によってパターンが変えられており、サポート性と通気性を両立している。

大谷遼太郎(おおたに りょうたろう)

大谷遼太郎(おおたに りょうたろう)

1990年10月18日生まれ。埼玉県出身。セガサミーホールディングス所属。青山学院大学、トヨタ紡織を経て、トライアスリートに転向。小学5年時に50m自由形でジュニアオリンピックに出場、高校入学後に陸上競技を始め、3年時に1500mでインターハイ5位に。2018年トライアスロンアジアカップ スービックベイ大会4位、トライアスロンアジアカップ 村上大会3位、日本トライアスロン選手権8位。トライアスロンクラブTRYINGを主宰するコーチとしての顔も。
Twitter @Ohtani1018 Instagram @Ohtani1018

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MIZUNO WAVE DUEL NEO ミズノ ウエーブデュエルネオ

抜群の反発性を備えた新素材ミズノエナジーの中で最軽量の、ミズノエナジー ライトをミッドソールに採用。陸上スパイクのテクノロジーを長距離シューズ用に応用したウエーブプレートとの組み合わせによって、高い加速を生む。フルマラソンでサブ3以上を目指すエリートランナー向けのスピードモデル。
発売日:2020年7月中旬から順次販売
価格:¥25,300(本体価格¥23,000)
カラー:62:ブルー×ホワイト×ピンク
サイズ:24.5~28.5cm
ソールの厚さ:前足部14mm/かかと部23mm
質量:約185g(26.0cm片方)
品番:U1GD2000
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