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高三で部活を引退し、辞めたと同時に写真を始めた。正確には、 路上で知らないひとに声をかけ、話を聞き写真を撮る生活を始めた。 今ではライフワークと化し、9年間で記録したひとの数は3,000人を超える。 ただ最近、必ずと言っていいほど外に出ればランナーが視界に入る。 僕としてもいよいよ無視できないというか、この際話を聞きたくて仕方がない存在にもなってきた。 いや、単純になぜと。 「なぜ、あなたは走りますか」

代々木公園2022年9月10日

私は学生時代からスポーツをやってきて、スポーツと共に生活していないと体調が崩れちゃうようなタイプの人間なんです。今から10年ほど前は弁護士になるための勉強をしていたこともあって、当時はストレスの発散方法を模索していた時期でもありました。私は、学生時代はテニス部に所属してテニスに打ち込んでいたんですけど、テニスってラケット、ボール、相手、コートがあってはじめて成立する競技ですが、ランニングは靴と脚さえあればできると。その手軽さでランニングを始めたところ、どんどんのめり込んでいきました。というのもランニングをすることで思考が整理されると一般的に言われていますが、私も走ってる最中は何も考えない、もしくは仕事以外のことを考えられる時間として、集中とリラックスの両方ができます。また、例えば、毎朝同じ時間にジョギングをスタートすることで、生活のリズムが整いますよね。

 今はもはやランニングが自分の生活や身体の一部になっていて、自分自身の成分表全体を100とするとその30くらいをランニングが占めているのかなと思います。公園の近くに住み続けていることも含めて、走ることを中心に様々な決断を下してる部分もありますし。なので、「なぜ走るのか」と聞かれれば、「逆に止めることはできない」と答えます。やっぱり自分の場合はランニングに限らず、体を動かし続ける、運動と共に生きるというのが生活のリズムであり、必要なことなのかなと。少し偉そうに聞こえるかもしれないですが、体と心と技術は、バランスが取れてはじめてそれぞれを伸ばしていけると思うんです。その基礎となる体の部分は、きちんと鍛えて、健やかに保つことが一番だと思うんです。それがあって、心の部分もついてくるでしょうし、それを土台として仕事で使う技術や家事・育児の工夫があって。逆に言うと、基礎が崩れると全部崩れちゃう。体調を崩したり、病気になったり、仕事でミスしたり、家族と喧嘩したり、色々とバラバラになるのかなと思います。

 弁護士業に限らずですが、ランニングは、仕事に通ずる部分がたくさんあると感じています。例えば、仕事は、いつまでに何をやらなくちゃいけないかという期限があるわけで。例えば、何月何日までに1、2、3をやらなくちゃいけないとすれば、そのプロセスとして1①、1②、1③をやらなくちゃいけないなと。つまり、成果までのプロセスを分解して、段取りをして、淡々とこなしていくことで最終的な成果につながると思うんです。これはレースに向けたトレーニングも同じで、コツコツと、毎日の一つ一つの練習はものすごく小さいんですけど、積み重ねることで最後には満足できる結果につながることがあると思います。なので、仕事に対する考え方とランニングの考え方って全く変わらないんじゃないかって考えています。サボればサボっただけ成果は出ないですし、仕事もランニングも小さくても続けることからなんですよね。私はたまたま1年に300日くらい10年近く走り続けてますけど、大げさに捉えるなら人生自体もランニングと同じかなと思っています。

 今の目標はフルマラソンで2時間35分を切ることと5,000メートルで15分台を出すことです。

加藤雄太

加藤雄太

1995年、神戸市出身。
「毎日、知らん人に話しかけたら?」悶悶と過ごしていたある日大学の先輩に言われた一言。この言葉をきっかけに写真活動HAZIME-MASHITEをスタートし、その後2016年6月に初版『HAZIME-MASHITE』を地元・神戸にて出版・完売。大学3年時より文科省推奨トビタテ留学Japan6期生としてカナダ・バンクーバーで1年2ヶ月間写真学校に通う(2017-2018)。帰国後は神戸を中心に写真・インタビュー・動画撮影を行い、2019年4月より上京し活動を継続。