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日本におけるウルトラライトの黎明期からファストハイクやロングハイクに取り組み、自由気ままなスタイルでのその奥行きを広げてきたイラストレーターのジェリー鵜飼さん。そんな鵜飼さんが最近、ハマっているのがランニング。遊びのフィールドをトレイルからロードへと広げつつある鵜飼さんの、アクティブなライフスタイルを追いかけた。

ジェリー鵜飼さんといえば、コアなウルトラライト&ファストハイカーにして、釣りや自転車にも精通しているアウトドアの遊び人――のイメージ。最近は、山梨県北杜市に構えたセカンドハウスを拠点に、小学一年生になる長女の六花ちゃんと親子ハイキングを楽しんでいる。

「セカンドハウスは八ヶ岳南麓の観音平(編笠山の登山口)に至近で、編笠山麓に整備されているなだらかなトレイルの散策を親子で楽しんでいます。以前のように、一昼夜歩き続けて山中で3時間仮眠する、みたいながっつりハイクには出かけづらくなったけれど、子どもと一緒にフィールドへ出かけるようになってアウトドアの遊び方の幅が広がったな。たとえば、しらびそ小屋までリスを見にいくとか、富士見平にテントを張って瑞牆山頂を往復するとか、散歩の延長線上にあるような気楽なハイキングは、今までの自分にはなかったアクティビティだから」

いずれは子どもを連れて北アルプスの縦走や、大好きな奥秩父主脈縦走にも一緒に出かけたいという鵜飼さん。可愛いバディができたことで、アウトドアのさらなる楽しみを深掘りしつつある。


この日はクライミング好きの六花ちゃんを連れて、近隣にあるボルダリングジムへ。鎖場が好きで、瑞牆山くらいの登山道は飽きずに歩き続けられるというから、こちらの将来も楽しみ。


ボルダリングジムで、子ども用に展開する〈MOVE + MASK KIDS〉をつけてクライミングを楽しむ六花ちゃん。

新たにはじめたランニングは、気づきの連続

そんな鵜飼さんが、昨夏から新たに取り組んでいるスポーツがランニング。意外なことにランニングとの接点は多く、過去20年に渡って、思い出したように走っては、飽きてすぐにやめて……を繰り返していたそう。

「仲間内でもランニング好きは多いし、僕自身、走り終わった時の達成感が好き。でも、走っている最中は苦しいだけで気持ち良くない。だから続かない。それを繰り返していたけれど、トレイルランニングショップを営んでいる友人(「Run Boys! Run Girls!」桑原慶さん)から、『はじめかたが間違っているんだよ』って指摘を受けたんです。心拍計付きの時計を見ながら、『心拍が上がりすぎない程度のゆっくりのペース』というアドバイス通りにゆっくりゆっくり走っていたら、少しずつ距離も延びてきて、なんと10km以上走れるようになった。いまでは週に3回、1回につき10km程度のランニングが日課に」

走りはじめて7ヶ月目、ラン仲間から誘われてハーフマラソン〈フロストバイトロードレース〉に参戦。初レースということもあってペース配分を間違え、後半に足を痛めてしまったものの、20年で初めてランニングの楽しさを実感できたというから、ランナーとしての伸び代はありそうだ。

「レースのために距離を延ばす練習をしたので、いまでは連続して20kmを走っても疲れなくなったし、なんならもっと走りたい、毎日走りたいって感じるほど。でも、ここで無理はしない。もっと走れるなと思っても、気分によっては3kmくらいでやめてしまう日もある。リカバリーに時間がかかる年頃だから、怪我はしたくないよね(笑)」

文学的嗜好にフィットするアクティビティ

いま取り組んでみたいのは、やっぱりトレイルランニング。でもロングやウルトラには手を出さず、「目標は50km程度を無理なく、楽しく」というから控えめだ。

「100km、160kmという数字にはモチベーションを感じなくて、むしろ自分の足でエリアをつないでいくことに物語を感じているんだと思う。地図を眺めながら、『ここからあそこの山まで、あの尾根をつないで、あの街に降りるのはどうだろう』、とかね。そう考えるとやっぱり、山梨・埼玉・東京をつなぐ奥秩父主脈は、全長約80kmという距離も適当だし、エリアもばんばん変わって面白いし、走れるところもいっぱいあって、トレイルランニング向きなんだよね。

冷静に考えるとロングハイキングや渓流釣り、ランニングって、文系のアクティビティじゃない?ロングハイキングの、自然に身を置いたなかでの内省のひとときとか、無心になってキャスティングを繰り返して、まったく釣れないのに幸せを感じている瞬間とか、黙々とロードを走る時間って、自分にちょっとした気づきをもたらしてくれる。そういう文学的なところに面白さを感じているのかな」

50歳という節目の歳を迎え、「なにごとも若い時のようにはいかない」と、ワークライフバランスを見直したという。自分がやりたいこと、楽しいと感じることのボリュームをますます増やしているところだ。

「理想とするのは、仕事と遊びがちょうど半分ずつ、くらいのライフスタイル。ランニングだってもっと距離を走れるようになりたいし、今シーズンはセカンドハウスを拠点に、シクロバイクとフライフィッシングを組み合わせたバイク&フィッシングにも挑戦したい。折り返し地点に来たのだから、遊びも仕事も、無理なく楽しく。自分の好きなことだけをやって生きていきたいよね」

いざというときのために携行したい、スポーツ用マスク

人の往来が多いロードでのランニングや、黄色の花粉が舞い飛ぶ秩父・青梅エリアでのハイキングで重宝するのが、スポーツのためのマスク〈MOVE+MASK〉。ゴールドウイン テック・ラボで開発されたマスクはJISの一般用マスク規格(JIS T9001)に適合するよう設計されており、通気性や安全・衛生面の基準をクリアしているばかりか、花粉などの微小粒子もしっかりキャッチしてくれるという優れものだ。スポーツ用マスクとしてアクティビティ時に着用して快適なよう、素材・構造にこだわって仕立てられており、マスク内に一定の空間を確保するブリッジ構造が、息があがるようなハードな運動時でも息苦しさを軽減。また、運動時の集中を妨げないよう、内側、外側、耳にかける部分はそれぞれ機能の異なる素材を使っている。

「立ち上がりを設けた立体構造になっているから、マスクの中に適度な空間ができる。ビビィサック(寝袋とテントを兼ねたような簡易宿泊具)と一緒で、この適度な空間が心地よさのポイントなのかな。マスクってついつい安価なものを買ってしまいがちで、だから装着感が悪くてすぐに外したくなっちゃう。でもちゃんと考えて作られたマスクなら付け心地が良くて耳も痛くならず、長時間身につけていても気にならない。繰り返し洗って使えて、使い捨てせずに済むのもいいよね」

これからは花粉症対策やエチケットとしての出番が増えそうなマスク。いざというときのため、ポケットに一つしのばせておきたいものだ。

GOLDWIN MOVE+MASK

「MOVE + MASK」は、目まぐるしく変化する環境のなかでスポーツを楽しみたい人のためのマスク。

スポーツアパレルを70年以上つくってきたGOLDWINが構造と素材に注目し、これまで培ってきた知見をもとに、スイムウェアや機能性インナーなどにも使われる素材を組み合わせながら、運動時の呼吸を妨げにくいように口元の空間を確保する構造をゼロからつくりあげた。

そのテクノロジーは公式サイト(https://moveplusmask.goldwin.co.jp/)をチェック!

ジェリー 鵜飼

ジェリー 鵜飼

静岡県出身。アウトドアやファッションブランドの広告やカタログ制作などで活躍するイラストレーター、アートディレクター。15年ほど前にウルトラライトの洗礼を受け、アウトドアに開眼。「ノマディスク」千代田高史さん、「jindaiji mountain works」のジャッキー・ボーイ・スリムこと尾崎光輝さんといった仲間たちとフィールドに出かけ、UL文化を発信してきた。現在はULにこだわらない自分らしいスタイルで、アウトドアやハイキングを楽しんでいる。尾崎さんとイラストレーターのジュン オソノさんによる「MPB(マウンテン・プア・ボーイズ)」、スタイリストの石川顕さん、アーティストの神山隆二さんと結成する「ULTRA HEAVY」など、幅広く活動中。