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今やウェアラブルデバイスはアクティビティに欠かせない存在。特にスポーツウォッチは行動データのログ集計や日々のコンディションの管理をはじめ、搭載される機能や装着感が日進月歩の進化を遂げています。今回はその中でも気になる5ブランドをピックアップ。編集部員がそれぞれ実際にフィールドで使ってみたインプレションを読めば、必ずや最適なスポーツウォッチが見つかるはずです。

SUUNTO/SUUNTO 9 PEAK

多くのSUUNTOファンが待ってました! という待望の一作がSUUNTO 9 PEAKだろう。なんといっても、そのスリムになったサイズ感は、今までのSUUNTOにはなかったもの。それでいて「全部盛り」のハイエンドウォッチなのだから言うことなし。すでにかなりの人気で一部在庫も少なくなっているという話題のウォッチだ。

小ぶりだが、自分のように腕の太くない男性(写真2枚目)としても、仰々しい大きさのウォッチの似合わなさに辟易していたこともあって嬉しいサイズ感。ランニングや登山などのアクティビティでは、この軽量さがそのままストレス軽減に結びつく。薄いデザインは上にジャケットを羽織った時の裾の引っ掛かりも最小限に抑えてくれる。小さいことはいいことだ。

トップエンドのSUUNTO 9 BAROの性能はそのままに、1時間でフル充電までもっていけるのはBARO(4時間)に比べて大きな進化。ウルトラディスタンスのランニングやトレイルを走る者にとっては、エイドでの休憩時の充電でバッテリーを保たせることができる。

SUUNTOアプリも洗練されており、Stravaとの連携もスムーズ。ウォッチのデザインもさることながら、アプリのUIやウォッチをつけてのアクティビティというUX面まで含めたSUUNTOらしいシンプル&クリーンなデザインの究極型といえるモデルだろう。

Review by YUFTA OMATA

SUUNTO/SUUNTO 9 PEAK
重量:TITANIUMモデル52g / スチールモデル62g
カラー展開:GRANITE BLUE TITANIUM(写真)、BIRCH WHITE TITANIUM、ALL BLACK、MOSS GRAY
価格:GRANITE BLUE TITANIUM、BIRCH WHITE TITANIUM ¥82,390(税込)/ALL BLACK、MOSS GRAY ¥71,390(税込)

GARMIN/fēnix 6 Pro Dual Power Slate Gray DLC

fēnix 6シリーズはGarminのフラッグシップであり、あらゆる機能が搭載されたハイエンドモデル。今回レビューしたfēnix 6 Pro Dual Power Slate Gray DLC / Blackの最大の特徴はソーラー充電機能が搭載され長時間稼働が可能になったこと。稼働時間は、スマートウォッチモードで約14日間に加えソーラー充電によりプラス2日間、GPSモードでは約36時間に4時間が加わる。

日没までの時間が表示されるのは山でのアクティビティを楽しむ人にとって嬉しい機能のひとつ。

ランニングウォッチとしては少し大きめのサイズ感だが、前モデルより軽量化、薄型化している。ランニング、サイクリング、スキー、スノーボード、登山、スイミング、ゴルフなど30種類以上のスポーツで利用可能。加えて音楽プレーヤーやSuicaにも対応し、日常での使用にも役立つ機能が搭載されている。

基本的な操作はGarminユーザーであればすぐに慣れることができるだろう。画面は大きく見やすいが、タッチスクリーンは採用されていない。手袋をしていたり濡れた手でタッチ操作が難しいケースを考えると、特に問題はなさそうだ。ナビ、マップ機能も充実しているためトレイルランナーや、長時間のアクティビティをする人、ビジネスシーンでも着用したい人におすすめのウォッチだ。

Review by YURI TEJIMA

GARMIN/fēnix 6 Pro Dual Power 
重量:85g
カラー展開:Slate Gray DLC /Black(写真)、Ti Carbon Gray DLC /Carbon Gray DLC Ti、Ti Mineral Blue /Whitestone
価格:Slate Gray DLC /Black、Ti Mineral Blue /Whitestone ¥132,000(税込) 
   Ti Carbon Gray DLC /Carbon Gray DLC Ti ¥154,000(税込)

CASIO/GSW-H1000-1A4JR

G-SHOCKがスマートウォッチになった。それだけで大きな魅力を覚えるのは、やはりG-SHOCKをつけて遊びたいという冒険心をくすぐられるからだろうか。無骨なデザインはまさしくG-SHOCKのそれだが、筆者の華奢な腕には少々大げさに見えてしまうのはご愛敬。前作GBD-H1000はその心拍計精度の高さをお伝えしたが、今作ではコレクションで初めてWear OS by Google™を搭載し、よりスマートウォッチとしての汎用性を獲得している。

ランニングウォッチとしての性能は前作のレビューに譲るとして、やはりG-SHOCKはアウトドア、それも大自然の中に持ち出したいもの。対応アクティビティはトレイルランニングやマウンテンバイク、SUPやカヤック、サーフィンにスキー、スノーボードとなんでもござれ。

昨今楽しむ人が増えている釣りにも、もちろんG-SHOCKがはまる。

四季を通じてアウトドアを遊び場とする人には、やはりG-SHOCKが似合う。そうそう、ランナーの方には、ASICSとの共創事業によるRunmetrixは見逃せないはず。アウトドアスポーツを楽しみながら、日々のランニングをレベルアップしたい人は要チェックだ。

Review by YUFTA OMATA

CASIO/GSW-H1000-1A4JR
重量:103g
カラー展開:ブラック×ブルー、ブラック、レッド(写真)
価格:¥88,000(税込)

COROS/PACE 2

海外ではランニング/トレイルランニングシーンで大きな注目を集めているCOROS(カロス)。日本でもアーリーアダプターの方々が愛用し始めているのをちらほら耳にします。

今回ピックアップするPACE 2はマルチスポーツ対応の最新モデル。装着して驚くのはその軽さです。ナイロンバンド使用で29g=百円玉6枚分という触れ込みですが、逆説的に評価するならば機能性に乏しい安価スマートバンドと同じレベルの軽さに驚かされます。ちなみにシリコンバンドで使用しましたが、それでも35gと十分に軽い。カロスというブランド名で思わずダジャレを言いたくなるほどです(失礼)。

COROS PACE 2
PACE 2上で記録したデータはこれまた使い勝手のよい独自アプリにBluetoothですかさずアップロード可能。さらにSTRAVAはじめサードパーティにも連携でき、データの送信スピードにも驚かされました。※色々いじりながら走ったので写真上の記録の遅さはご容赦ください。

では、この軽いボディにどんな魅力が詰まっているのか? 象徴的なアイコンが並ぶUIは視認性が高く、スマートウォッチに慣れていない人でもすぐに親しめるはず。また、使っていてそのストレスフリーっぷりに目からウロコだったのが回転式ダイアルによる操作です。スマフォネイティブな人は思わずスクリーンをタッチしたくなりますが、PACE 2は側面に設置されたくるくる回るダイヤルで画面を切り替える方式を採用。前時代的と思うなかれ。タッチパネル形式でないため、反応の悪さによるイライラを一発で解消してます。思わず開発者に賛辞を送りたくなります。

さらにGPSの精度の高さもPACE 2の大きな魅力のひとつ。衛星システムはGPS(米)/QZSS(日本)に加えGLONASS(露)もしくはBeiDou(中)の使用を選ぶことができます。広範囲を移動する際のログの精度は信頼できそうですが、さらに注目したいのが独自開発の「トラックランモード」。400mトラックを走る際にGPSデータにストップウォッチと同レベルの正確さを誇るアルゴリズムを組み合わせることで、ランナーの位置を自動的に補正し、ラップタイムや走った距離の誤差を最小限に抑えるというものです。インターバル練習を取り入れているランナーにとって歓迎すべきポイントではないでしょうか。

COROS PACE 2
心拍数や消費カロリーなどはデバイス上で、VO2MAX(最大酸素摂取量)、LT(乳酸性作業閾値)がアプリ上で確認可能。1日の消費カロリーや睡眠時間もトレースしてくれるので、ライフログを集計するガジェット、そして、モチベーションをプッシュしてくれる相棒としてもう手放せません。通常使用なら20日間、GPSモードなら30時間充電が要らないのもスペック的に◎。

重厚感がない代わりにルックスはいい意味で往年のランニングウォッチ然としているPACE 2。ライフスタイルには浸透しにくいながら、「見た目は普通でも中身はすごい」存在感が既存スポーツウォッチの切れ味鋭いカウンターとして手に取りたくなる人も多いのでは。

マラソン世界記録保持者のエリウド・キプチョゲも愛用するということで、エリートランナー向けの印象もありますが、SUUNTOやGarminという2大巨頭の間で悩んでいる初心者の方にこそ思いっきり推したい一品だったりします。

Review by TOMOHIRO KOBAYASHI

COROS/PACE 2 
重量:29g(ナイロンバンド装着時)、35g(シリコンバンド装着時)
カラー展開:ダークネイビー(写真)、ホワイト
価格:¥27,390(税込)

HUAWEI/HUAWEI WATCH FIT

手に取った瞬間、まずなんといってもその軽さとスリムさに驚いた。縦型フェイスが手首にすっぽりと納まるので、ウェアの脱ぎ着に邪魔にならずワークアウト中はもちろん、睡眠時に着用したままでも違和感のない着け心地だ。

かといって、文字盤が見にくいわけではない。約1.64インチの大型ディスプレイが画面占有率約7割で搭載されているのでタッチ操作がスムーズ。さらにデバイス自らが発光する有機ELディスプレイのおかげで屋外でも視認性が高く、ランニングに集中できるのはとても好印象だった。さすが、世界的スマホメーカーの技術といったところだ。

コンパクトなボディに心拍数・ストレスレベル・血中酸素濃度・睡眠をモニタリングできる機能もついているで、日常生活において健康管理士から常にフィードバックをもらっている気分になる。ただ、製品名にFITという単語が入っているからにはワークアウトでの機能が気になるところ。実際にランニングで使用してみた。

走行中は距離、時間などの基本データはもちろん、心拍数と合わせて心拍レベル表示「準備運動」「脂肪燃焼」「有酸素運動」「無酸素運動」「最大」の文字が表示されるのが印象的。リアルタイムでランニングの効果を実感できる。特にランニング中に見る「脂肪燃焼」の表示は、食べすぎてしまった翌日にはパワーワード。この日はついつい走りすぎてしまった。

また、手首を上げるだけで画面が点灯するので、夜でも点灯ボタンを押す必要がないのは夜ラン派にとっては大変嬉しい。

機能で特徴的なのが、ランニング、水泳、サイクリングなど85種類のワークアウトメニューがウォッチの中に搭載されていること。ランニングにおいては、走行中にバイブレーションで「ウォーキング」「早めのウォーキング」などポイントごとでガイドをしてくれるので、走る距離や時間、インターバル強度などの知識がなくても、目的に応じたトレーニングができる。

屋外ランニングメニューの一部。初心者向けかと思いきや、他にもMAF180(マフェトントレーニング)、テンポラン、インターバルがレベルごとに搭載されており本格的にトレーニングした人にも便利な機能だ。

初心者でなくてもランニング中に「今日どのくらい走ろう」「目的にあったペースは?」「インターバル長過ぎる?」など気になる人も多いと思う。この懸念点をHUAWEI WATCH FITがサポートしてくれるのでストレスが軽減。ワークアウトに集中できる環境は、まさに手首から個人トレーナーが指示してくれているような感覚になった。

また、あまりに快適でつい忘れてしまっていたが、バッテリーが約10日間持続するというのも注目ポイントだ。

HUAWEI WATCH FITを着用していると経験者はワークアウトに集中でき、初心者はガイドのおかけで知識がなくても気軽に生活にフィットネスを取り入れることができる。また、ここまでの機能が搭載されて1万円台。初めての1台として日常にスポーツを取り入れたい友人や家族へのプレゼントに最適なことも付け加えておきたい。

Review by SAYURI SAITO

HUAWEI/HUAWEI WATCH FIT
重量:約21g(ベルトを含まず)
カラー展開:ミントグリーン、サクラピンク、カンタロープオレンジ(写真)、グラファイトブラック
価格:¥15,180(税込)