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テーブルや椅子といった家具から、朝食のパンにバターを塗るためのバターナイフのような雑貨まで、日々の生活にさりげなく寄り添う木製品たち。その材木はどこからやってきたのか。林業を知ることで、産地や背景についても知りたくなってきた。日本の森から生まれたプロダクトが伝える「木」の魅力と心地よさに触れてみよう。

石巻工房
FLAMINGO

¥30,800
問い合わせ先: kobo-shop.net(石巻工房)

東日本大震災の直後、宮城県石巻市に建築家の芦沢啓治を中心にデザイナー有志がDIY支援として市民が自由に使える公共的な施設として始まった〈石巻工房〉。DIYのノウハウを活かした家具はどれも、機能的でシンプルかつ頑丈なつくり。木の年輪や節などもあえて残したまま、塗料やオイルなども塗らず、ありのままの飾らない素朴さが魅力だ。片足を乗せて軽く腰掛けられるタイプのスツール『FLAMINGO』は、気軽に使えつつも、座ると見た目以上の安定感に驚くだろう。プロダクトデザイナーの二俣公一氏がデザインを手がけ、材木は宮城県の栗駒杉を利用している。ハイカウンターからテーブル、大人から子どもまで用途に合わせて3種類の高さのバリエーションから選択可。場所を取らず気軽さのあるスツールは、キッチンや工房、アウトドアでも活躍する。

PLY WOOD Laboratory
paperweight koishi

¥4,620(1点あたり)
問い合わせ先:info@plywoodlaboratory.jp(PLYWOOD laboratory担当)

日本有数の家具産地、北海道・旭川の木材を扱う老舗合板メーカー〈滝澤ベニヤ〉によるファクトリーブランド〈PLY WOOD Laboratory〉。現在国内の多くの合板メーカーが海外からの輸入単材を加工しているなか、産地のポテンシャルを活かし、道内で材木生産と加工を完結させている数少ないメーカーである。人の手で丁寧に製造された高品質な合板は、板同士の接着に揮発性有機化合物を使用せず安全性も高い。そんな〈滝澤ベニヤ〉が2010年に販売を開始した「paper wood」は、カラフルなストライプが特徴的な新しい合板だ。色再生紙を木単板の間に挟み込んだ素材は、唯一無二の表情が美しい。「paper wood」をパッチワークのようにつなぎ合わせたペーパーウェイトは、ころんとしたフォルムが愛らしく、どこか民藝品のようなあたたかみある雰囲気をまとう。オブジェとして部屋に忍ばせておきたい。

桐屋
コーヒー豆ポット(大)

¥12,800
サイズ:直径9×高さ16cm 容量200g
問い合わせ先:arata-funayama.stores.jp(Arata Funayama)

日本でも数カ所しかない産地で育つ「日本桐」と呼ばれる在来種、なかでも福島県三島市を中心に栽培される「三島桐」は、真っ直ぐに整った木目と美しい光沢が特徴だ。三島の良質な桐材の道具たちは、古くから人々に親しまれ愛されてきた。そんな美しい伝統的産業も時代の流れの中で消えゆこうとしている。それを、現代のかたちにアップデートし、伝えていこうとしているのが〈会津 桐屋〉。会津の桐箪笥職人が手がけるコーヒー豆のキャニスターは、上品な佇まいに、箪笥に使われる金具が目を引く。桐製品の内部は、透湿保温効果に優れ、季節を問わず適当な温度・湿度に保ってくれるので湿度に弱い食品の保管等にも良い。伐採から約5年間、雨と雪にさらして木の中にあるタンニンを抜き、黒染みができにくい。長く愛用できる一品。

西粟倉森の学校
ヒトテマキット デザートスプーン

¥825
サイズ:16.8cm
問い合わせ先:morinogakko.jp(西粟倉森の学校)

人口1400人の岡山県英田郡西粟倉村は、面積の95%が森林。ここにある西粟倉森の学校は、木材加工の他にいちご農園、カフェ運営、自然体験プログラムなど、人と地域資源の組み合わせで価値を生み出すモノづくりをおこなってきた。口当たりのあたたかい国産ひのきの間伐材で作られた『ヒトテマキットデザートスプーン』は、自分で削って仕上げるヒトテマキットの中でもいちばんの人気商品。2本セットなので失敗の心配もご無用。親子で一緒に作ったり、ワークショップにもおすすめだ。自宅に彫刻刀や紙やすりがなければ、ヒトテマキットはじめるキットもあわせて購入してはいかが。無垢材なので、経年変化も楽しめる。どんなに不恰好でも、自分の手で作ったスプーンでいただくデザートは格別だ。
※写真の彫刻刀とクラフトナイフは『ヒトテマはじめるキット(¥1,100)』別売り

MODRINAE
MODRINAE カシの木

¥12,100
サイズ:苗木の高さ15〜30cm/木鉢の高さ18cm/木鉢の幅14cm
問い合わせ先:08015281207(ソマノベース)

植林をひとりで始めるとなると、ハードルはかなり高い。が、自宅でドングリの苗木を育てることが、結果的に健康な山づくりに繋がるとしたら?新しいカタチの観葉植物として人気のMODRINAEは、ドングリの状態で届いてから、2年間かけて育てる。育て方についてのサポートも充実しているのでご安心を。成長した苗は返送することでドングリが採取された和歌山県の山に植えられ、未来の山づくりを担う。MODRINAEの最大の魅力は、自ら植林できるツアーや、苗が山に戻った後の定期報告、さらには苗木が戻った山々で伐採された木材の製品販売まで、育て終わったその先にも広がっていることにある。成長しても30cmほどに収まる苗木と国産ヒノキを使用した鉢はインテリアにも馴染み、あたたかい。伐るだけでも、育てるだけでも、植えるだけでもない。日常に国産木材を取り入れ、人と木の関係を循環させていくことに想いを馳せながら育ててみては。苗はカシの木とウバメガシの木の二種類から選べる。
※生産時期は10月〜4月まで