グローバルヘルスケアカンパニーのアボットジャパンは、糖尿病患者の自己管理をサポートする最新の持続グルコース測定器(CGM)〈FreeStyleリブレ® 2〉の発売を開始した。健康診断などで得られる血糖値は、いわばある瞬間の点の数値だし、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の測定で得られる数値も、過去数週間の血糖値の平均となってしまう。一方で、持続グルコース測定器(CGM)を身体に装着してリアルタイムでグルコース値を測れば、血糖値の変化、つまり「点」でなく「線」での身体の状況を把握することができる。
〈FreeStyleリブレ®〉シリーズは、医療機関でも使用される信頼性の高い持続グルコース測定器(CGM)。上腕に専用のセンサーを装着するだけで、最長14日間にわたって24時間血糖値(間質液中のグルコース値)を連続的に測定することができる。測定値はスマートフォンの専用アプリに表示され、血糖値の変動をグラフで確認することが可能だ。
画像提供:アボットジャパン合同会社
今回発売になった〈FreeStyleリブレ® 2〉は、その機能をさらに進化させ、1分毎にリアルタイムで血糖値を自動測定し、アプリに反映することができるようになった。これまでの〈FreeStyleリブレ®〉は、測定の都度センサーにスマホをかざす必要があったが、〈FreeStyleリブレ® 2〉では、こうした測定をしなくとも継続的にデータを取得し続ける。加えて、血糖値が設定値を超えた時にアラートを知らせる機能もあり、突発的な低血糖や夜間の血糖変動もしっかりキャッチする。
過去のデータもアプリ上で一目瞭然。食事や運動、インスリン投与などの生活習慣と血糖値の関連性が見えてくるので、自己管理の精度も上がるだろう。
また、リアルタイムでデータを共有できる〈リブレLinkUp〉というスマートフォンアプリをご活用することで、急激な血糖値の変化も離れた場所から家族がすぐ気づくことができる。
製品発表には原晋監督も登壇
〈FreeStyle リブレ®2〉の発売を記念して行われた発表会には、東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科の西村理明教授と青山学院大学駅伝部の原晋監督が登壇した。
西村教授は「〈FreeStyleリブレ® 2〉は、24時間のグルコースプロファイルを継続的にモニタリングすることで、ライフスタイルとグルコース値の関係性を深く理解し、より良い糖尿病管理につながる」と期待を寄せた。
一方、原監督は「ひとつひとつの練習も当然大切だが、練習の流れを線で見ていくことが重要。血糖トレンドも右肩上がりで上がっているのか下がっているのか、正常に保たれているのかを線で確認できるというのは非常に良いこと」と、駅伝の練習になぞらえて継続的な数値把握の大切さを訴えた。
〈FreeStyleリブレ® 2〉は、基本的に糖尿病と診断されている方に医師を通じて処方されているものだ。ただ、血糖値の把握は糖尿病患者だけでなくアスリートにも有用なのではないだろうか。特にエンデュランススポーツにおいては血糖値を正しく把握することは、補給を含めたレースの組み立てや日々の練習に役に立つことは間違いない。得られた血糖値をスポーツにおいてどう活用していくかは、これからの研究に期待したいところだ。