MUJI WALKERは、無印良品が提案する機能性ウェアライン。撥水・防風・吸汗速乾・ストレッチなど、運動に必要な機能を備え、普段使いもしやすいデザインを大切にした『日常と、運動をつなぐ服』がラインナップされている。運動といってもハードなスポーツではなく、日常生活に気軽に取り入れられる動きからというのが、MUJI WALKERの提案だ。ウォーキングやストレッチなどの運動を快適にサポートしてくれるウェアを身に纏えば、そもそも私たちのくらしは動きでできていることに気づかされる。
MUJI WALKERが今期（2024年春夏）に発売する商品を一足先に試してもらったのは、フィエルド花さんと山口陽平さん。機能的でシンプルなウェアを見事に着こなしてくれたおふたりに話を聞いた。
今回は、トレイルランニングを中心に、体を動かすことを楽しむ花さんのくらしぶりを参考に、遠い存在に感じていたスポーツライフへの一歩を踏み出そう。
撥水性と防風性を兼ね備えた素材の〈撥水ナイロンウィンドブレーカー〉と〈撥水ナイロンウィンドパンツ〉はセットアップが可能。紳士サイズだが、ゆったりしたシルエットで着たい女性にもおすすめ。
ふたりが訪れたのは、千葉県夷隅郡大多喜町にある蒸留所〈mitosaya〉。ここは果樹や薬草、ハーブを栽培している自然豊かな場所。育てられた恵みを使って発酵や蒸留の技術で、蒸留酒や加工品を作り出している。
運動は生活の一部
花さんは、香港と日本にルーツをもつ元プロバレエダンサー。香港で生まれ育ち、2年前に日本へきた。現在はデジタルマーケティングの会社に勤めながら、香港で出合ったトレイルランニングの魅力にはまり、国内の大会に多数出場して好成績を残している。
レースに向けてハードなトレーニングを積むことも多いはずの花さんが教えてくれたのは、これから運動を始めたい人にも伝わる無理のないスポーツライフだ。
「私は体を動かすことが好きなんです。歩けるところは歩くようにしたり、散歩を習慣にしていたり、買い物に行くなら自転車を使って遠くに行ったりと、より動きのあることを選んでいると思います。だから気づいたら、普段から動きやすい服装になりますね。
ただ、トレーニングをしないとムズムズするので、一日のどこかで時間を確保します。平日の仕事のある日はパズルのように一日を組み合わせるんです。午前の仕事、ランチタイム、午後の仕事、夜の予定…とあったら、どこにランニングやストレッチの時間を入れるのか。在宅勤務になってからはランニングをランチタイムに充てることもあるし、夜に友人とのご飯を約束していたら、朝か昼に時間を作ります。
そして、調子が悪いときにできるレベルのものを毎日やるのがコツです。運動はハードルが高くては続かないので、ストレッチも毎日5分だけでいいからやる。体調が悪くても、天気が悪くても、5分だけならできるはず。この考え方は、私の周りにも伝えていますね」
ピースの一つに「トレーニング」があるパズルは、その日の都合で組み合わせが変化して完成する。ランチタイムを有意義にしたり、友人との時間を疎かにはせず、ちょっとした工夫でトレーニングと両立させることができる。仕事にもメリハリがつくに違いない。そして、体調が悪いときにできるレベルまでハードルを下げる考え方は、自身がランニングを始めたときの経験からだという。
「小さい頃からバレリーナだったので体を動かす習慣はありましたが、実は走るのは苦手でした。山を走れるようになりたいと思ってからは、ランニングを週に1回からはじめることにしました。毎週日曜日に1時間走ると決めて、旅行先でもどこでも日曜日には必ず走りました。距離は10kmほどですが、調子が悪ければ歩いちゃってもいいので、とにかく毎週日曜日という一つのルールを2年くらい続けたんです。次第に走れるようになり、楽しくなっていきました」
睡眠へのこだわり
一日をパズルのように考える花さんのライフスタイルには、運動以外にも何か別のこだわりがあるのではないか。そんな問いには、やはり誰もが共感できる答えを持っていた。
「私にとって、眠ることはとても大事です。しっかり7〜8時間が理想の睡眠時間。寝すぎてしまうのはよくないですが、睡眠時間が短いと日中すごく影響を受けてしまいます。
自分が睡眠不足に影響されやすいことがわかっているから、よく眠れるようベッドメイキングにはこだわっています。毛布や枕の素材は肌触りの良いものを、時間やお金をかけて選んでいますね。柔らかくて大きいものに埋もれたいので、ちょっと重みのある毛布。そして、夜はアロマをたいて入眠までの雰囲気を作ります。ベッドに入る前に電気を消して、アロマキャンドルの光だけにすると、その効果は入眠もそうですが、朝の目覚めがよくなったんです。こだわりのスタイルですね」
〈ＵＶカット乾きやすいスウェットシャツ〉と〈ＵＶカット乾きやすいスウェットパンツ〉はやわらかで軽く、乾きやすいからお手入れが簡単。パンツは適度な厚みと、ハリもあるので着こなしやすい。
体を動かすことで自分自身と向き合うことができ、理想の睡眠時間を把握したり、寝具をこだわるまでに大切な時間であることを理解している。花さんのように、快適な生活は自分なりの方法をひとつひとつ見つけていくこと。心地いいものを身の回りに増やせていけたら、心も体もポジティブな姿勢に変わっていくのだろう。
自然の中に身をおくこと
今回訪れた〈mitosaya〉は、元は薬草園であり、園内には百種類以上の植物が植えられている。また、敷地内に果樹園や温室、畑などがあり、さまざまな自然と共存した空間だ。ここに、日常とは離れ自然のなかで過ごす時間を大切にする花さんのくらしがリンクしていた。
「誰かとの関わり合いのなかで起こるすべてのことは、結局は自分自身の心の持ちようとか、捉えようだと思うんです。自分の中に余裕を持てれば、ネガティブもニュートラルに捉えられるようになるのかなと。もちろん、ポジティブはポジティブのまま返せるし。だから、自分の機嫌をとるように、生活のクオリティを少しでも上げられるようにと意識しています。
基本は楽観的だけれど落ち込む時はあるし、そういう時こそ大好きな自然のなかに身を置きます。自然のなかで頭を空っぽにして、そして運動をする。何かに怒っている時も、ランニングに行ってしまえば、なんで怒ってたんだろう？なんで落ち込んでたんだろう？という気持ちで帰ってくるんです。自然が壮大なので、自分の悩みがちっぽけに感じてくるんですよね。ランニングだけじゃなく、ヨガやバレエのレッスンに行ったりすると、悩んでいたことを忘れてしまうんです」
花さんのポジティブなマインドは、一人でのワークアウトの時間を大事にすることで育まれている。自然の中に身を置き、見るものや音、匂いを感じることで五感がすべて刺激され、頭もクリアになるという。スポーツとメンタルの密接な関連性も、花さんが証明してくれるようだ。
MUJI WALKERの着心地
自然に囲まれた〈mitosaya〉で過ごした動きのある一日を、MUJI WALKERのウェアはサポートしてくれたのだろうか。特に印象に残ったアイテムについて聞いた。
「Tシャツがすごく好きでした。普通のコットンTのようでカジュアルウェアに見えるのに、吸汗速乾性が高くて、これなら走れそうと思えました！
兼用って難しいんですよね。これは明らかにスポーティなシルエットだなと思うものは普段使いができないんですが、MUJI WALKERのTシャツはちょうど絶妙なバランスが取れていて気に入りました。色も大切で、スポーツウェアっぽい色だなと思うと職場に着ていくのは躊躇してしまうんですけど、これは絶対に私服として着れて、それこそ通勤ランに着たいと思いました」
〈UVカット吸汗速乾半袖Tシャツ〉は、UPF50+のUVカット性能でちょっとした運動にも最適。素早く汗を吸収し乾かしてくれる。〈UVカット乾きやすいショートパンツ〉も同じく、UPF50+のUVカット性能で、紫外線対策と軽やかさを兼ね備えた夏の運動にぴったりのアイテム。
「私が友達によく伝えるのは、好きなスポーツを見つけたほうがいいということ。“痩せるからランニングをする”のではなくて、これが好きだから続けられるとか、自分に合ったスポーツや体の使い方を探して欲しい。それを見つけるまではいろんなものにチャレンジしてほしいと思います。
私自身は、今新しく何か始めるというよりも、昔やっていたことをまたピックアップしたいという思いが強いんです。これまでのバレエもヨガもそうでしたが、とことん突き詰めちゃう性格なので、今はトレイルランにストイックになりすぎて、実は燃え尽き気味です。日本にきてからのこの2年間ずっと走ってばかりで、体が硬くなってしまいました。軽くはなっているけど、なんか動かない。なので、一歩下がって、またトレランを気楽に捉えられるようになりたいと思っています。
バレエもヨガもすべてとことんやってきたので、今度はすべてをバランスよくできる時がきたんじゃないかなと思っています。毎日ヨガの時間を作っていますよ」
体を動かすことが好きだと語り始めた花さんは、運動がもたらすさまざまなメリットを教えてくれた。無印良品の良質で機能的なアイテムを好むユーザーが持つ、くらしをより良くしたいという思いに共通項がなかっただろうか。花さんの教えをきっかけに自身の内側に意識を深めたら、MUJI WALKERのウェアを着て5分のストレッチから始めてみよう。より一層心地よいライフスタイルを手に入れられるはずだ。
